過渡期?-4 サービスが良くなるその先は

要は、壁側のダクトと、本体側のダクトのつなぎ目を本来ならばテープで固定し、水漏れがない様にしなければならないのだが、施工業者は、それをスキップしたらしい。やっと腑に落ちた思いがした。今までの他の部屋も含めたエアコンの水漏れの原因は、きっと殆ど全てが今回と同じなのではないかと思ってしまう。(そして、タオルが入っているエアコンも少なく無いのかもしれない)

メーカーの人は薄々それが原因だと感じていた様だが、香港人同士の馴れ合いからか、顕在化させなかった様だ。さすがに彼もタオルを入れるとは思っていなかった様で、もう言い逃れはできないと思ったらしく、トントントンと話は進んでいく。

と、そこへ、施工業者の兄という人がやってきた。彼は施工会社の社長でもあるらしい。

すらっとした彼は、礼儀正しく、冷静に状況を見て、弟が適当なことをしたことを認め、解決として、ダクトのつなぎ目を何かの素材で固めて水漏れがないうようにする、と説明した。その横では、さっきまで鷹揚だった弟が小さくなっている。

施工業者兄は、材料を買ってきて、1台につき30分くらいで直していった。

そして、驚くことに、修理のために出たゴミ等を掃除していった。日本では当たり前にやってもらえることだが、香港では、その辺中を埃だらけにして私でもできるような施工をして、大威張りで帰っていくような施工業者しか、見たことがなかったので、驚きである。

その後、水漏れはなく、エアコンの下に洗面器の無い生活の快適さを楽しんでいる。

その話を、築3、4年のマンションに住んでいる友達に話したところ、何よりもエアコンの水漏れはしないらしい。うちの工事の時に、施工業者兄が、何故最初から来なかったかというと、新築のマンションの方にかかりきりで、来られなかったとのことだった。最近の新しいマンションには、施工業者もきちんとした人がいくのかなぁと、ちょっと羨ましかった。

それからしばらくの後、私と同じくらいの12年前に香港赴任を経て深センに赴任し、一度日本に戻ってから、昨年また深センに再赴任した友達と久しぶりのランチをした。

エアコンにまつわる今までの経緯と「香港にも立派な(日本で言えば普通の)施工業者もいるんだよ」と締めくくったところ、彼女のうちもキッチンの換気扇を交換してもらった際の施工業者が、なんと、工事の際にゴミが散らからないように、他を傷つけないように、養生をして施行し、更に綺麗に掃除をしていったらしい。

更に、彼女を訪ねて深センへ行ったイミグレ(出入国審査カウンター)でのこと、お土産に中国産以外の人参とじゃがいもを持って行ったら、生野菜は持って入れないとのこと。その時の係員が、綺麗な英語で、丁寧に、「大変申し訳ありませんが、これらは持って入れません。お帰りの際にお持ち帰りになりたければ、そうできますが」(意訳ではあるが、話しぶりや口調で、こんな感じに聞こえた)と言う。

以前は、「あ〜これダメダメ」(これもまた雰囲気だけの意訳)という身振りで、「没収したものを絶対にあとで食べているよ」と取られた人の中にはそう言ういう人もいるくらいだった。

この12年の間に、様々変わってきた。なんとなく、私が子供だった時の日本って、こんなだった?というところから、現在の日本に近づいているのかも、とも思う。過渡期なんだろうと思うが、今の日本を見ていると、この先サービスがよくなるにつれ、あまり窮屈になって欲しく無い、思うこともしばしば、である。

没収したものを食べてしまうことも、適当に施工することもはっきり言って、全く肯定するつもりはないし、当事者としてはそういう適当な人たちを「憎い!」とさえ思う。でも、そういう適当さが相手にも過度に常識を求めず、いろいろな人がいるということも肯定し、なんとなく、自由に楽に生きられている(た?)んだなぁ〜と思わずにはいられない。(fin)

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